2010年01月20日

<居酒屋発砲>自殺の容疑者「とにかく酒癖悪かった」(毎日新聞)

 大阪府羽曳野市の居酒屋で男が発砲し、4人が死亡した事件で、発砲して自殺した大阪市環境局職員、杉浦泰久容疑者(49)は妻(48)と離婚協議中で、首を絞めるなど、妻に激しい暴力を繰り返していたことが親族らの証言でわかった。親族らは「とにかく酒癖が悪く、暴力をふるうため、離婚させようとしていた」などと話している。一方、犠牲者の知人らは突然の悲劇に言葉を詰まらせた。

 妻の母親で、射殺された田中美子さん(66)の親族によると、杉浦容疑者は妻と約25年前に知り合って結婚した。杉浦容疑者は妻への激しい暴力を繰り返し、「出ていけ」などと怒声を浴びせることもあった。

 このため、昨年10月ごろから別居し、離婚協議を進めていたが、杉浦容疑者は離婚を拒んでいたという。田中さんと親しい女性によると、田中さんが杉浦容疑者について「月に1万〜2万円しか家にお金を入れず、困っている」と嘆いていた。

 杉浦容疑者は猟銃許可を取得し、地元の猟友会に所属。奈良や和歌山の山中で猟をし、「猟でとった」とイノシシの肉を知人に配っていた。

 居酒屋「い〜ちゃん」は08年末に開店。杉浦容疑者は妻とともに「食べに来てくださいね」と近所にあいさつ回りをした。妻が実質的に店を切り盛りし、家族的な雰囲気で、近くの住民がよく利用していた。

 亡くなった田中美子さんは元羽曳野市議で、96年から約1年間、女性初の議長を務めるなど、行動的な女性で評判だった。元市議の香川弘行さん(66)は「いつも主婦の視点を忘れずに仕事をする人で、明るく豪快だった」と言葉を詰まらせた。「い〜ちゃん」を訪れたことがある羽曳野市の北川嗣雄市長も「田中さんから『誰かいい弁護士はいないか』と相談を受けたことがあった。こんなことになっていたたまれない」と話した。

 福井達也さん(23)は身長180センチの大柄な体格で、優しい性格だった。「い〜ちゃん」と回転ずし店でアルバイトを掛け持ちしていた。すし店で働くパートの女性(48)は「『福ちゃん』の名で親しまれていた。他人の悪口は絶対に言わず、誰からも好かれるタイプだった。明るくてまじめな好青年だったのに」と話した。

 福井さんは昨春、大阪府藤井寺市の四天王寺大学人文社会学部社会学科を卒業。日本拳法部の主将を務める一方、「モンスターペアレント問題」を卒業研究のテーマにし勉学にも熱心だったという。碓井岑夫(みねお)学長は「前途ある青年が凶悪事件で命を失ったことを大変残念に思う」と述べた。

 上原浩人さん(49)は「い〜ちゃん」が入る建物の大家で、数年前まで同じ建物の串カツ屋で働いていたという。現場近くの飲食店経営者(57)によると、上原さんは温厚でパチンコ好き。杉浦容疑者夫婦のもめ事に口出しするような性格ではなかったという。

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痴漢 愛知県職員に無罪判決「故意とは認められぬ」(毎日新聞)

 電車内で痴漢をしたとして愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢行為)の罪に問われた同県労働福祉課主幹、岡野善紀被告(52)に対し、名古屋地裁の伊藤納裁判長は18日、「(起訴内容の行為を)被告が故意に行ったものとは認められない」として無罪(求刑・罰金50万円)を言い渡した。

 岡野主幹は08年12月8日朝、名鉄本線国府宮−名古屋駅間の特急列車内で、当時28歳の女性の足の間に右足を入れ、太ももの内側にすりつけるなどしたとして起訴された。

 今回の事件では、県警の鑑定の結果、女性の衣服から岡野主幹の衣服の繊維が検出されなかった。起訴内容を裏付ける証拠は、被害女性と痴漢行為を目撃したとされる交際男性の供述のみだった。

 判決はまず、2人の供述の信用性について検討。「2人が一面識もない被告に不利益な虚偽の供述をする動機や利益に乏しい」として、一応信用できると認定した一方、「揺れる列車内で被告の足が女性の両足ひざ辺りに接触することがあったにとどまると言わざる得ない」とした。

 その上で、足の接触について、岡野主幹の故意が存在するかどうかを検討。判決は「2人の供述から列車の揺れと被告の足の動きの関係について具体的な状況を認めることができない」と指摘。「故意に行ったものと推認するにはなお合理的疑いが残る」とした。

 岡野主幹は判決後「警察や検察には科学的かつ客観的な捜査と慎重な判断を求めます」などとコメント。玉岡尚志・名古屋地検次席検事は「上級庁とも協議のうえ適切に対応したい」とコメントした。

 愛知県警の衣服の鑑定では、女性のズボンから岡野主幹のコートなどの繊維は検出されなかったが、鑑定結果について検察側は証拠請求せず、公判中の期日間整理手続きで弁護側が開示請求して明らかになった。判決後、会見した弁護人は「検察は依然として不利な証拠は出さない」と批判した。【式守克史】

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