2010年03月25日

【きぼうの未来へ】山崎直子さん初飛行(上)宇宙での生活にこだわり(産経新聞)

 平成5年、東京・本郷の東大工学部航空学科の製図室。卒業課題の設計図作製で、「宇宙ホテル」の図面を無心に引く女子学生の姿があった。まもなく宇宙へ飛び立つ山崎直子さん(39)だった。

 「たくさんの人が宇宙に行けるようにしたい」

 国際宇宙ステーション(ISS)の建設もまだ始まっておらず、日本人が宇宙で暮らすことは夢物語だった時代。学生の大半が人工衛星などの無人機を設計する中で、人と宇宙のつながりに人一倍こだわった。

 自ら設計した宇宙ホテルは直径約150メートルのドーナツ形。回転によって疑似的な重力が生まれ、多くの人が快適に過ごせる未来空間だ。図面の大きさは四畳半分に及んだ。

 指導した中須賀真一教授(49)は「有人宇宙活動が好きなんだなと感じた。出来栄えは申し分なく、このとき培った能力は飛行士としても十分生かされていると思う」と話す。

                   ◇

 山崎さんは千葉県松戸市生まれ。「素直な子に」と名付けた両親の願い通り、明るく伸びやかに育った。父親の角野明人さん(73)は「小さいころは親の言うことを何でも受け入れた」と振り返る。

 星が好きで、近所のプラネタリウムに兄とよく通った。主人公が宇宙を旅するアニメ「銀河鉄道999」も夢中で見た。でも、将来の夢は小学校の先生になること。宇宙は目標ではなく、「大人になれば普通に行ける」と思っていた。

 中学3年のとき、米スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故に衝撃を受ける。犠牲者の中に民間人飛行士の女性教師がいた。自分が目指していた教師という職業と、漠然とあこがれていた宇宙。それが「結びつくんだ」と気付いた。彼女の遺志を継ぎ、飛行士になりたいと思った。

                   ◇

 勉強は理科系が特に強かった。お茶の水女子大付属高校で化学を教えた石井朋子副校長(56)は、当時の様子を覚えている。

 「答案は文字も中身もきれいで、いつも90点以上。授業中はよそ見せず、教壇まで熱心さが伝わってきた」

 高校時代は友人とジャズダンス同好会を立ち上げ、硬式テニス部でも活躍。大学時代に親しかった女性は「何でも楽しめて、誰とでも仲良くなれる。怒ったり不満を言っているのを見たことがない。プラスのオーラしかない人」と話す。

 飛行士の選抜試験に最初に挑戦したのは、大学院生のとき。留学先の米国で宇宙工学を勉強しながら書類を出したが、実務経験不足で門前払い。それでもあきらめず、前に進んだ。

 宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)に技術者として就職。ISSの日本実験棟「きぼう」の開発チームに入った。同僚だった植松洋彦さん(47)は「緻密(ちみつ)な仕事ぶりで、正しいと思ったら相手が上司でも引かない」。3年目の11年、難関を突破して念願の飛行士に選ばれた。

 「だんだんと自分の目標を持ち、頑固なまでに努力した」と母親の喜美江さん(67)。「階段はあと一歩。価値のある足跡を残してほしい」と明人さんは語った。

                   ◇

 山崎直子さんが、4月5日に打ち上げ予定の米スペースシャトル「ディスカバリー」でISSに向かう。日本初のママさん飛行士の希望と試練の日々を追った。

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2010年03月24日

「いつか捕まる」ひき逃げ容疑で会社員を逮捕(産経新聞)

 東京都日野市の路上で7日早朝に男性が死亡しているのが見つかった事件で、警視庁交通捜査課と日野署は、自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、八王子市石川町の会社員、田口肇一容疑者(29)を逮捕した。同課によると、田口容疑者は容疑を認め、「いつか捕まると思って眠れなかった」と話している。

 逮捕容疑は、7日午前5時半ごろ、日野市落川を軽ワゴン車で走行中、路上で倒れていた近くに住む無職、相田栄一さん=当時(65)=をはねたが救護措置をとらずに逃走し、死亡させたとしている。

 同課によると、相田さんは同日未明まで知人と飲酒しており、事故前から現場に倒れていたという。

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2010年03月17日

捕鯨の街、家族「逮捕は当然」…海外反応に不安も(読売新聞)

 「逮捕は当然」「かえって海外からの風当たりが強まらないか」――。南極海での調査捕鯨妨害を繰り返してきた反捕鯨団体「シー・シェパード」の活動家で、小型高速船「アディ・ギル号」元船長、ピーター・ベスーン容疑者(44)が12日午前、海上保安庁に逮捕された。

 不法に侵入した監視船で、南極海から東京までの1万キロ超を“連行”されるという異例の展開。調査捕鯨の関係者らは厳罰を求める一方、古くから捕鯨で栄えた各地の港では、今回の逮捕劇で、捕鯨をめぐる国際的な議論が過熱することを懸念する声も上がった。

 「逮捕は当然のこと」。第2昭南丸の僚船に乗る夫を山口県下関市で待つ妻(30)はこう訴える。「反捕鯨を唱えるのは自由だが、船内に侵入したり妨害したりして人を傷つけることは絶対に許されない」

 同市は古くから商業捕鯨で栄え、調査捕鯨にかかわる関係者も多い。過去には夫の乗った船が薬剤の瓶を投げつけられたこともあったとこの妻はいう。年々、反捕鯨団体の活動は過激になり、不安は膨らむばかりだ。「南極海に行っている間、毎日心配しながら待ち続けるのは、もうたくさん」と訴える。

 近海捕鯨の基地がある宮城県石巻市。鯨肉などを缶詰にする市内の食品加工会社社長(55)は、「鯨は地元に根付いた食文化。日本は法治国家として毅然(きぜん)と対応すべきだ」と話す。「クジラ資源が枯渇するのは困るが、管理する中での捕獲は認められるのではないか」。ただ、「今回の逮捕を機に、海外で日本の調査捕鯨への風当たりが強まらなければよいが」との不安も消えないという。

 捕鯨基地を抱える千葉県南房総市の関係部署はピリピリした雰囲気。今回の逮捕が、反捕鯨国を逆なでしないか、海外の批判に神経質になっているためで、農林水産課幹部は「コメントは控えたい」とだけ話した。

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